当記事では「悪役令嬢」がテーマになった、おすすめのなろう小説をご紹介します。
小説家になろう内の一ジャンルである「悪役令嬢」ですが、今やテンプレ設定以外にも色々なストーリーの作品が生み出され、大人気ジャンルに成長しました。
今回は小説家になろう原作で書籍化した悪役令嬢作品の中から、特におすすめのタイトルを10作品厳選してご紹介していきます。
悪役令嬢なろう小説とは
悪役令嬢物のなろう小説とは、「乙女ゲームもしくは小説世界の悪役令嬢に転生してしまった女性」が主人公の作品を指します。(キャラ設定などに多少の例外はあります)
そもそも「悪役令嬢」とは、主人公のライバルポジションのキャラクターのことですね。
ヒロインが相手と結ばれないよう邪魔をしたり、非道な仕打ちをしたりとイケズな行動を取り、最終的には破滅へのルートを辿る悲しい運命の令嬢キャラのことを「悪役令嬢」と呼びます。
ストーリーのパターンとしては「破滅エンド回避型」「悪の花道を進む型」の2パターンが多く、「悪役令嬢・ヒロイン・悪役令嬢の婚約者」は大体の作品で登場します。
ストーリー上では悪役令嬢が婚約者と婚約しないパターン、溺愛パターンに分かれ、さらにヒロインとの関係も「ざまぁパターン」と「友人・親友パターン」に分けることができます。
このように比較的テンプレ展開が決まっている悪役令嬢物ですが、人気の理由を3つに分けて解説していきます。
主役の悪役令嬢はみんな努力家で、思わず応援したくなる
悪役令嬢物のなろう小説は、転生してきた悪役令嬢が「まともな運命を辿りたい」という思いで努力していくストーリー展開が基本になります。
「悪役令嬢=破滅ルート」という運命を乗り越えようとする主人公の姿を自然と応援したくなり、いつしかハマってしまうのが、悪役令嬢物のなろう小説が人気の理由の一つですね。
悪役令嬢の見た目と中身のギャップが楽しい
ただの悪役令嬢は高い地位や美しい容姿を持った高慢で非道な令嬢ですが、悪役令嬢物のなろう小説の「悪役令嬢」の中身は、まともな思考力を持った転生した主人公です。
本来なら「とっても嫌なやつ」な悪役令嬢ですが、中身が転生者であることで、従来設定されていた地位や見た目と中身に大きなギャップが生じます。
そのギャップが登場人物たちを惹きつける理屈付けにもなっており、またストーリーを楽しくする要因にもなっています。
脇役であるヒロインの魅力が、作品の質を左右するポイント
悪役令嬢物のなろう小説は、主人公だけでなく「ヒロイン(作品世界の本来の主人公)が魅力的な作品」の人気が出やすい傾向にあります。
ヒロインはそもそも作品世界の主人公であるため、悪役令嬢同様に高いポテンシャルを有していることがほとんど。その行動によって悪役令嬢を輝かせることもできれば、自身が輝くこともできるバイタリティに溢れた存在です。
特に長編になるほど、ヒロインのキャラクター設定や立ち位置が物語を盛り上げる重要な鍵になっています。
悪役令嬢物のおすすめなろう小説10選
それでは、悪役令嬢物のなろう小説の中から特におすすめしたい作品をご紹介していきます。
ストーリー構成はもちろん、文章や言葉選びの秀逸な作品を中心に、お話としては読後感のよいハッピーエンドや、明るい気分になれる書籍化済みの作品を選びました。
上から順番にテンプレ・王道に近い作品から順番にご紹介していきます。最後の方はテンプレから外れたちょっと変わったおすすめ作品になりますので、ぜひ色々とチェックしてみて下さいね。
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…
『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』は、学園を舞台に繰り広げられる悪役令嬢物の王道ストーリーを楽しめる作品。通称「はめふら」です。
物語の始まりは、主人公が怪我をきっかけに自身の前世を思い出し、自分が前世でプレイしていた乙女ゲームの悪役令嬢に転生したことに気づくところから。そのまま進むと訪れる身の破滅とバッドエンドを回避すべく、様々な対策を立てて奮闘するストーリーです。
運命に抗う努力、中身とのギャップなど、先に挙げた悪役令嬢物の魅力の全てが詰まった「悪役令嬢物とは何たるか」が分かる王道作品だと言えるでしょう。
悪役令嬢物を読んだことがない方は、まずは入門書として「はめふら」を手に取ってみて下さい。アニメ化もしていますので、色々なメディアで楽しめますよ。
作品名 | 乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… |
作者名 | 山口悟 |
連載期間 | 2014年〜2020年 |
話数 | 51話 |
お前みたいなヒロインがいてたまるか!
『お前みたいなヒロインがいてたまるか!』は、乙女ゲームの世界の自殺ENDしかない悪役令嬢に転生した主人公が、不幸になるはずだった母親と攻略対象である従兄弟を幸せにするべく暗躍する物語。
自分のことは二の次で奮闘する主人公を思わず応援したくなる、本編完結済みの作品です。
この悪役令嬢の凄いところは4歳から18歳までの14年をかけて、その2人を幸せにするために悪役のフリを続けるところです。
主人公の恋愛要素は殆どなく、悪役令嬢として頑張る14年を追いかけていく形のお話なので、主人公に感情移入してしまうファンの多い作品。最終話の従兄弟から主人公へのセリフには、涙を禁じえません。
全体としてはコメディタッチで明るい雰囲気なので、最後まで楽しんで読める悪役令嬢作品です。
作品名 | お前みたいなヒロインがいてたまるか! |
作者名 | 白猫 |
連載期間 | 2014年〜2017年 |
話数 | 180話 |
『お前みたいなヒロインがいてたまるか!』の漫画を読む
ヤンデレ系乙女ゲーの世界に転生してしまったようです
『ヤンデレ系乙女ゲーの世界に転生してしまったようです』は、攻略対象者が全員ヤンデレという特殊設定の乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまうところから始まる物語。
ゲームのストーリー上、殺される運命にあるキャラに転生してしまった主人公が、生き残るために奮闘する姿が描かれています。
ストーリーは幼少期の「婚約者編」から「家族編」、「学園編」と続く三部構成になっており、本編完結済み。文章表現が素敵なのが特徴で、少しぶっきらぼうな語り口で綴られた物語には読者を惹き込む不思議な魅力があります。
個人的に特に良いなと思ったのは、キャッチコピーの言葉が終盤のセリフに使われているところ。読み手が受け取るニュアンスをうまく操作していて、とても印象に残るセリフとなっています。
話数も少ないので、気軽にスラスラと読めるのもおすすめポイント。ぜひ楽しみに最後まで読んでみて下さい。
作品名 | ヤンデレ系乙女ゲーの世界に転生してしまったようです |
作者名 | 花木もみじ |
連載期間 | 2013年〜2016年 |
話数 | 69話 |
『ヤンデレ系乙女ゲー』の漫画を読む
悪役令嬢、ブラコンにジョブチェンジします
『悪役令嬢、ブラコンにジョブチェンジします』は、遊んでいた乙女ゲームの推しキャラの妹の悪役令嬢に転生するというラッキー(?)な主人公のストーリー。
推しキャラに最も近いポジションに転生したことを最大限に活かし、悪役令嬢ながらハッピーエンドを目指す物語です。
タイトルにもある通り主人公は兄を最優先して行動しますが、兄も妹優先でガチシスコンという設定で、お互いに思い合う美しい兄妹の姿を楽しめます。
とはいえ物語の中の恋愛要素は少なめで、主人公の前世が社畜という設定も活かされて兄の仕事を支えるという要素が大きい物語になります。
未完結作品なのですが、2人の美麗な兄妹の物語がどのような結末を迎えるのか、今後の展開が楽しみな作品です。
作品名 | 悪役令嬢、ブラコンにジョブチェンジします |
作者名 | 浜千鳥 |
連載期間 | 2019年〜 |
話数 | 214話〜連載中 |
『ブラコンにジョブチェンジ』の小説を読む
ヒロインな妹、悪役令嬢な私
『ヒロインな妹、悪役令嬢な私』は、悪役令嬢に転生したシスコン主人公の物語。
主人公が自身の破滅エンドの回避など関係なく、とにかく妹を可愛がるという行動に出る、テンプレから少々逸脱した悪役令嬢物のなろう小説です。
妹を幸せにするために悪役令嬢としての「運命」を受け入れようとする主人公ですが、主人公を愛する周りの人物がそれに争い続けるという珍しいの構図が描かれる作品。
全体を通してギャグテイストなのですが、その中に落とされたほんの少しのシリアスがスパイスとしてよく効いている作品です。
悪役令嬢と婚約者の恋愛要素もありますが、その描写も少なめ。悪役令嬢の人生や「運命」が主題として描かれた作品。本編完結済みです。
作品名 | ヒロインな妹、悪役令嬢な私 |
作者名 | 佐藤真登 |
連載期間 | 2015年〜2016年 |
話数 | 124話 |
『ヒロインな妹』の小説を読む
アルバート家の令嬢は没落をご所望です
『アルバート家の令嬢は没落をご所望です』は、悪の花道を突き進もうとする「(想像の斜め上に)頑張る系悪役令嬢」が主人公のなろう小説です。
舞台は乙女ゲームの世界の学園。主人公は自分が乙女ゲームの悪役令嬢に転生したことを知り、攻略対象の一人でもある彼女の従者に「没落エンド」を目指すことを宣言するところから始まります。
一応恋愛物でもありますが、全体的にはギャグテイストのストーリー。特に女性キャラは恋愛サイドになるととても可愛いのですが、なぜこんなに面白くなってしまうのか。いちいちセリフの言い回し、言葉選びが秀逸で笑えます。(悪役令嬢の縦ロールいじりなんて初めてみました。)
キャラクターも濃くて描き分けが素晴らしいので、ヒロイン含め悪役令嬢周辺キャラのエピソードも楽しめます。本編は完結していますが、続編や番外編がたまにアップされている作品。ぜひチェックしてみて下さい。
作品名 | アルバート家の令嬢は没落をご所望です |
作者名 | さき |
連載期間 | 2014年〜2019年 |
話数 | 218話 |
『アルバート家の令嬢』の漫画を読む
悪役令嬢としてヒロインと婚約者をくっつけようと思うのですが、うまくいきません…。
『悪役令嬢としてヒロインと婚約者をくっつけようと思うのですが、うまくいきません…。』は、悪役令嬢物の王道テンプレから逸脱したちょっと変わったストーリーが魅力のなろう小説です。
舞台は現実世界に近い、お金持ちの子女が通う学園。前世で読みかけだった小説の世界に転生し、自分が悪役令嬢だと気づいた主人公は「小説の続きが読みたい」という理由でヒロインと自分の婚約者のハッピーエンドを目指そうします。
しかし主人公がポンコツ過ぎて、何もかもがまったく上手くいかない天然系悪役令嬢でした。
知っている小説の世界へ転生したにもかかわらず、前世の知識を活かしきれず、ぼんやりしすぎているせいで悪役にもなれないという王道とはかけ離れた展開が逆に新鮮なストーリーが楽しめるなろう小説。本編完結済みです。
作品名 | 悪役令嬢としてヒロインと婚約者をくっつけようと思うのですが、うまくいきません…。 |
作者名 | 枳莎 |
連載期間 | 2015年〜2018年 |
話数 | 111話 |
『ヒロうま』の漫画を読む
その悪役令嬢は攻略本を携えている
『その悪役令嬢は攻略本を携えている』は「悪役令嬢の母親が転生者だった」という、ちょっと変わった設定の物語。
未来に悪役令嬢となってしまう娘を幸せにするため、攻略本を作ってシナリオに抗おうとする転生者の母親。その母の攻略本を携えた悪役令嬢の視点でストーリーが進みます。
舞台は全寮制の学園です。第一部は予想外の展開を踏みつつも悪役令嬢が婚約者と結ばれるまでを描き、第二部は実はゲームには続編があったという設定で彼女らのその後が描かれています。
ヒロインがなかなか良い性格をしており、ほどよくギャグテイストなのでちょっと笑ってしまう場面もある楽しいストーリー。本編完結済み作品です。
作品名 | その悪役令嬢は攻略本を携えている |
作者名 | 岩田加奈 |
連載期間 | 2019年〜2021年 |
話数 | 86話 |
『その悪役令嬢は攻略本を携えている』の小説を読む
悪役令嬢になりたくないので、王子様と一緒に完璧令嬢を目指します!
『悪役令嬢になりたくないので、王子様と一緒に完璧令嬢を目指します!』は、本人が転生者ではない変わったパターンの悪役令嬢物なろう小説です。
主人公の悪役令嬢は、婚約者となる予定の王太子とのお見合いの直前、自分が乙女ゲームの世界の悪役令嬢だと知ることになります。肝心の転生者は王太子の双子の弟で、彼から「自身が悪役令嬢である」ことを教えられるのです。(ちょっとややこしいですね)
自分が我儘で最低の「悪役令嬢」だということに身に覚えのある主人公は、その反対の「完璧令嬢」になるために、王太子の協力を得ながら自分を変えていく努力を始めるというストーリー。
テンプレとちょっと変わった悪役令嬢物が読みたい方や、恋愛物のなろう小説が好きな方におすすめです。
作品名 | 悪役令嬢になりたくないので、王子様と一緒に完璧令嬢を目指します! |
作者名 | 月神サキ |
連載期間 | 2018年〜2019年 |
話数 | 126話 |
『完璧令嬢』の小説を読む
悪役令嬢は旦那様を痩せさせたい
『悪役令嬢は旦那様を痩せさせたい』は、破滅エンド後に頑張って生きる元悪役令嬢が主人公のなろう小説。ジャンルとしては「異世界恋愛物」になります。
断罪後に見目麗しくないと評判の人物に嫁がされることになった主人公は、婚約者の見た目を少しでもましにするための努力を始めるストーリー展開。
主人公も婚約者も未熟な面を持ち合わせており、2人の成長を見守って読み進められる、悪役令嬢が主役なストーリーとしては意外なハートフルストーリーを楽しめる作品です。
恋愛面ではまさかの展開が待っているので、恋愛物が好きな方ならきっと楽しめますよ。
作品名 | 悪役令嬢は旦那様を痩せさせたい |
作者名 | はいあか |
連載期間 | 2017年〜2019年 |
話数 | 145話 |
『悪役令嬢は旦那様を痩せさせたい』の小説を読む
悪役令嬢物のなろう小説まとめ
悪役令嬢物のなろう小説は、男女問わず楽しめるジャンルの作品です。
意外と恋愛要素がメインのものだけでなく、さまざまなジャンル・世界観の作品がありますので、ぜひ色々とチェックしてみて下さいね。